株式会社Senjin Holdingsは、WEBマーケティング、採用支援、アート経営コンサルティング、そして地方創生の4つの事業を軸に、マーケティングの最前線で事業を創造する会社です。
インターン生や新入社員を重役に抜擢するなど、若い世代の可能性をどこまでも信じて事業を生み出す同社が、地方に進出して感じている手応えとは?
今回は、東京に本社を置きながら、2022年12月に山口県岩国市、次いで2023年2月に熊本県天草市に進出された、株式会社Senjin Holdingsの取締役・CMOである増田陽様にお話を伺いました。
株式会社Senjin Holdings
取締役・CMO 増田 陽様
自治体のスピード感と“つなぎ役”の重要性
地方進出を検討されたきっかけを教えていただけますか?
札幌に進出した同業者の知り合いから、現地で主婦の方々を雇用した成功事例を聞き、地方進出に興味を持ち始めました。弊社の業務内容はウェブ上で完結できるものなので、人材の採用や育成に関しては東京にこだわる必要は全くないと気づいたんです。
そんな時、みらいさんから企業誘致に関するメールをいただき、補助金や視察ツアーもあるということで、すぐに電話して相談にのっていただきました。お話ししているうちに、当社に合う立地先として岩国市と天草市が候補に上がり、早速視察ツアーを手配していただくことになりました。
視察ツアーを通して、岩国と天草の印象は変わりましたか?
どちらも想像していたより田舎ではなかったです。建物が多く、賑わっていて、利便性もありました。また、視察に行く前は、急に外からやってきた人間が地域に受け入れてもらえるのだろうかと不安に感じていましたが、自治体の方々がスピーディーかつ歓迎ムードで対応してくださり、感銘を受けました。
視察ツアーでは、それぞれどのような手応えがありましたか?
岩国の視察ツアーは、元々予定されていた日程が少し先だったので、待ちきれずに個別の視察ツアーをアレンジしていただきました。かなり無理を言ってしまったにもかかわらず、市の職員の方が快く対応してくださりありがたかったです。相談してすぐに日程を組んでくださって、その翌週には視察が実現し、高校やハローワーク、オフィス物件を見てまわりました。担当の方が同世代だったこともあり、話も盛り上がって感触がよかったです。
一方で、天草の視察ツアーは、みらいさんにアテンドしてもらう形で参加しました。岩国同様、高校やハローワークでお話を伺ったり、商店街を散策したり、酒造見学をしたり、水産加工の工場で魚を捌く体験をさせてもらったり...。天草独自の魅力をたくさん教えていただきました。
みらいさんのように、進出を検討している企業側の視点に立って踏み込んだ話をできる存在が、行政や地元企業との間に入ってくれるのは非常に助かります。縁もゆかりもない土地で一から関係性を構築するのは、通常ならかなりの時間と労力を要します。しかし、今回はみらいさんのサポートのおかげで、スムーズに地域に溶け込めました。市長にもお話するお時間を割いていただき、そのお人柄や温度感も、進出を決意する決め手となりました。
どちらもこのタイミングを逃したくないと感じ、視察ツアー後、進出を即決しました。
人生観が変わるほどのやりがいを見つけた地方進出
実際に進出されてみて、良かったと思うことはありますか?
先に進出した岩国では、順調に採用が進んでおり、現在10名の新規スタッフを雇用できています。主婦層にアプローチしたかったので、求人チラシを作って新聞折込をしたところ、50名以上の応募がありました。
天草ではまだ採用には至っていませんが、雇用創出に関するテーマでの講演や、高校での授業の依頼をいただいています。場所に囚われない、これからの時代の柔軟な働き方を伝えられたらと思っています。
地方進出は、それだけで同業他社と差別化できる可能性や希望に満ちています。また、個人的には、東京で経験できなかったやりがいを地方で強く感じています。実際に人と会って話して、困り事を解決して、「ありがとう」と感謝される。その一連の流れを肌で感じる機会を得て、地域の人たちとの交流の中で生まれる喜びを知り、これまでの人生観が変わりました。
逆に、大変だと感じることはありますか?
地方におけるWEBマーケティングの需要が想定よりも少なかったことです。一方で、採用支援の需要はあり、弊社が貢献できる分野なので、今後はより地域のニーズに沿った事業を展開していければと考えています。
地域を巻き込みながら事業を拡大したい
地元の方々との関係を深めるために、何か意識して取り組まれていることはありますか?
私が今取り組んでいる地方創生事業の根底には、「地域を巻き込みながら事業を大きくしていきたい」という思いがあります。
なので、まずは人と知り合うきっかけがほしいと思い、先日は岩国の商工会主催のソフトボール大会にも参加しました。少しずつ着実に、地域の方々と信頼関係を育んでいきたいですね。
また、市の職員さんにご協力いただきながら、進出企業同士が交流できるネットワークを構築しました。このコミュニティ内では、進出してからのノウハウを共有し合ったり、いずれは連携して何か大きな事業を起こせたりすれば嬉しいです。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
人材の採用に関しては、両市ともに確かなニーズを感じているので、今後はまず採用支援事業に注力します。オフライン・オンラインを問わず、質の高い企業と人材のマッチングを手がけていきたいと考えています。その上で、それぞれの地域の特性に合わせた事業も展開していくつもりです。岩国の場合は米軍基地、天草の場合は高校生がキーワードになってくるかと思います。
まずは岩国と天草で確かな実績を作り、将来的には、全国各地に拠点を増やしていきたいです。