天草発、地域づくりの連鎖が動き出す~メディア掲載がつなぐご縁~

みらいの地域コーディネーター大矢に、地方創生について「広く熱く」語っていただく当コーナー。

現在、熊本県・天草市を主な拠点とし、“地域コーディネーター”として持続可能な地域社会づくりに取り組む大矢。

今回は、そうした取り組みがメディアを通じて伝わったことで、どのような出会いや連鎖が生まれてきたのかについて伺います。

早速インタビューしてみましょう。

天草での取り組みが周囲の関心を集め始めたのは、どのような出来事からでしたか。

天草に拠点を移してまだ一年も経っていない頃に、熊本の地元紙に取り上げられたことがありました。
子育て中のママたちがテレワークで活躍している様子を紹介していただいたのですが、それが「天草でもこんな働き方が広がりつつあるんだ」と知ってもらう最初のきっかけだったと思います。

地元紙から取材があったのですね。

その後も、天草での企業誘致の取り組みが進んでいく中で、再び取材していただく機会がありました。
県内の知り合いからの反響も多かったですし、取材してくださった記者さんが地方出身の方だったのですが、後日コラムで「地方だから何もできないと決めつけているのは自分ではないか」と、ご自身の体験と重ね合わせて書いてくださったのも、とても印象に残っています。

全国紙での密着取材もあったと伺いました。

「なぜ天草に企業が集まってくるのか?」を知りたいと、全国紙の記者さんが視察ツアーに3日間同行してくださり、その様子を紹介していただきました。
補助金や条件ではなく、「天草では人の魅力が、補助金以上の資源になっている」と、私が企業誘致で大切にしている想いを感じ取ってくださったことが、とても嬉しかったですね。

「人の魅力が企業誘致の鍵になっている」点が印象的です。

自治体の立場としては、「補助金を充実させないと進出してもらえないのでは?」といったように、条件面の整備に意識が向きがちなところがあると思います。でも本当に大切なのは、「その地域にしかないオンリーワンの魅力」をどう伝えるか
天草での事例をもとに、私の大切にしていることを紹介していただいたことで、理解者が増えたと感じています。

天草での取り組みが、自治体の方々にも届き始めたのは、どのようなきっかけからだったのでしょうか。

行政向け専門誌『ジチタイワークス』(2023年5月号)に、天草市役所の担当職員さんとの対談を掲載していただいたんです。この雑誌は、全国の自治体に配布されるので、天草での取り組みを広く知っていただくきっかけになりました。

そうやって取り組みがだんだんと認められてきたのですね。

さらに、別の専門誌『中小企業と組合』(2024年4月号)でも、総務省の実証事業への参加を通じて生まれたご縁がきっかけで、天草でのテレワーク普及と企業誘致による地域活性化の事例を特集していただきました。
実証事業でご一緒した方が、当社が運営する天草のテレワークセンター「あまスタ★ファロール」まで実際に来られて「この取り組みはもっと多くの人に知ってもらうべきだ」と記事にしてくださったんです。

それは大きな励みになりますね。

直近だと、教育系メディア『先端教育』(2025年9月号)での、熊本の「教育×地域創生」をテーマにした特集の中で、大学の学長や教育委員長など、教育界のキーパーソンに並び、民間から取り上げていただきました。
天草での取り組みが、教育の文脈でも評価され始めていると感じた出来事でした。

メディア掲載は、大矢さんにとってどのような意味を持っていますか。

本当にありがたいですね。単純に「新聞や雑誌に載って嬉しい」という話ではないんです。
記事をご覧いただいて、「話を聞かせてほしい」「視察に行ってみたい」と連絡をくださる自治体の方は、入口から“志”が近いことが多いんです。この先に描く未来を実現していく上で、同じ志をもつ仲間との出会いは必要不可欠です。
その意味で、メディアに取り上げていただくことは、「同じ方向を目指す仲間と出会うための接点」になっているのです。

なるほど。そうした出会いが積み重なることで、取り組み自体も広がっていくわけですね。

僕が天草に来たのは、「天草で良いモデルをつくって、それを全国の地方が希望にできるようにしたい」という思いがあったからなんです。
まだまだ道半ばですが、天草モデルを発信してくださるメディアの存在は、本当に心強く、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、天草から勇気のバトンを受け取った様々な地域が、並行して動き出し、それぞれの個性を活かして切磋琢磨することが、強い地方を生み出す原動力になっていくはずです。

天草での事例を伝え続けることで、共感する自治体や仲間が少しずつ増えていく――。
メディア掲載は単なる「露出」ではなく、次の地域へとバトンを渡していくための、大切な入口であることが伝わってきました。

今回は、天草での取り組みがメディアを通じて伝わる中で、思いがけない出会いや、その後の連鎖がどのように生まれていったのかについて語っていただきました。
次回は、そんな様々なご縁をきっかけとして、全国に広がる支援先についてお話いただきます。
お楽しみに!